奥様にキス

2003年6月27日
婚姻費用負担の希望額については、当然のことながら
彼も妻も自分の考えを曲げようとはしない。その応酬は
泥仕合の様相を呈している。

少しでも多くのお金を勝ち取ろうとする妻は、彼の言い分を
覆そうと必死である。執拗に、彼がそれだけしか出せない
根拠を示せと言い続けていた。

私は彼になりすまして妻のメールに返事を送る。

『そこまで言うなら、家計簿を見せて下さい。
各費目についても、あなたが「必要だ」と提示した金額の
根拠を、過去の支払いの実績をもとに具体的に示して下さい』

お気楽奥様からは「家計簿はつけてません」と返信があった。
その後も脈絡のないメールを送ってきていたが、私たちはその間に
妻の要求を満たすべく、彼の提示額の根拠となる資料を作成した。

彼が、資料が出来たからFAXする、と妻に告げた途端、またしても
妻は態度を豹変させた。まさか、本当に夫が資料を準備するとは
思いもしなかったのだろう。大慌てで、「お金の話は調停でします
から資料は見ません」とメールしてきた。見せろと言っておきながら
見せようとしたら拒否するなんてホント馬鹿ですね。

奥様の言動なんて底が知れているのよ(笑)
嫌がらせに無理難題を突き付けたつもりだったんでしょう?
私が奥様だったら隈なく検分するのに。うろたえるんなら
最初から提示しろだなんて、おっしゃらなければいいのよ♪

FAXを送信してもエラーになる。そこまでして見ようとしないなんて
どうせ、調停で「夫は収入の明細と使途も話してくれないんです。」
とかなんとか、泣きを入れる腹づもりだったのだろう。

「どうしろと言うんだ、全く!」
FAXが送信できなくて、ダーリンは呆れ果てている。
無造作に投げ出された資料を手に取り、私は言った。

「この書類、郵送致しましょうか?」

彼はチラッとこちらを見た。真面目な表情で指示を仰ぐ私が、
しかし目だけ笑っていることを感じ取ったであろうダーリン・・・。
同じく堅い声で「頼むよ。」と事務的に返事をした。

フフフフ・・・(笑)

ああ、楽しい。もちろん配達証明で送らなくちゃね!♪
見てません、なんて言い逃れはナシよ奥様。
カタカタカタ… 軽快にキーボードを叩いて送付文書も作成。
お昼休みも休まず仕事してる真面目な社員に見えたかしら。
ラッキーね。

仕上げに私は、指でそっと自分の唇に触れた。
そして、封筒の口の部分にその指をのせてゆっくりと滑らせる。
綺麗な紅い色が、うっすらと付いた(笑)
アハ!不倫チャンらしさ満開だわ!
楽しいったらないわ、これこれ、これよー!

きちんと糊付けをして紅の色を隠すのは言うまでもない。
奥様、私からキスのプレゼントよ。ダーリンが毎日
愛しそうに触れてくれる唇よ(笑)気付いて下さるかしらー?

「夫が収入と支出の明細を見せてくれないと泣く計画」はボツね。
さあ奥様、次は一体どんなくだらない作戦を立てるのかしら。
レイコとっても楽しみにしてましてよ、おほほ。



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