奥様からのメール(つづき)
2003年6月8日(つづき)
「15日の日曜、○○に行くのは何時です。よろしくお願いします。」
妻からのメールである。
彼が来週末、両親を連れて田舎に行けない理由はこれだったのだ。
○○は、妻の趣味だ。過去、彼は否応なしに妻に付き合わされて、
言わば「運転手兼子守り係」として、何度も駆り出されていた。
妻の言いなりになっていると思えば腹も立つが、可愛い子供と二人で
(妻抜きで楽しく)過ごせる時間だと考えると、良い機会ではないか。
というわけで、私は彼が妻に同行するのを反対はしていない。
でも。
黙っているなんて、一体どういうことなの?
別居して離婚調停までしているというのに、まだ隠すのね、ダーリン。
「どうかした?」と言った彼に向かって私は言った。
「フフン、なるほど来週は田舎に行けないはずよね。
だって奥様と○○に行くんでしょ?知らなかったわ。」
彼は珍しく逆切れした。きっと虫の居所が悪かったのだろう。
声を荒げてこう言った。
「レイコにはちゃんとメールで伝えたはずだろう!」
まったく。
「そんなメール届いてないわ。
一度でもそんな話を聞いていたら忘れないもの。
あなたの携帯の送信済みのメールフォルダにも、
そんなメールは無いわ。それに、ちゃんと私に言ったのなら、
次の週末田舎に行けないという話のときにも、○○だから、って
ちゃんと言えたはずでしょう?また隠そうとしたのね」
淡々と話す私に益々彼は激高した。
「お前はうるさい!・・・」
ああ、馬鹿らしい。
矛盾を指摘して嘘を暴くまでもなく、彼の言動はおかしい。
私の気持ちを測りすぎて、言い出せなかったのかもしれないが
それなら彼は素直にそう言うべきなのだ。
カーン!私の心の中にゴングが鳴り響いた。
愛し合う二人は、喧嘩でさえも、おろそかにはしない。
誠意をもって、丁寧に言い争うのだ。そう、これも私たちの
コミニュケーションだと納得して堪能しなくては。
まるで、どちらの罵倒が酷いかを競うゲームのようにね。
涙を流してみたり、威嚇したり、愛のコミニュケーションは
ひたすら続いた。こんなにつまらないネタで、これほど
盛り上がるなんて、私たちって愛し合っているんだわ、うふ。
なーんてことを考えながら、喧嘩をするのは楽しい♪
そう、何でも楽しまなくちゃ。
どうせすぐに仲直りして、夜には抱き合うんですもの、おほほ。
ねぇ、ダーリン。レイコ、喧嘩が盛り上がりすぎて
お蕎麦が食べられなかったことだけが残念だわ。
また行きましょうね。うふふ。
P.S
奥様へ
「レイコが俺に○○に行って欲しくないって言うなら、行かない。」
彼はそう言いました。もちろん、ベッドの中でね。
どうしようかしらー。レイコ、考え中(うふ)
ではごきげんよう
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