隠し事
2003年5月20日一つの出来事にひっかかりを感じると、それはパズルの一片
となって胸に残る。パズルのピースは、既にいくつか集めてあった。
月曜日の彼の一言もそのうちの一つ。何かが起こりそうな予感。
+++++
この前の日曜、私は彼と、携帯電話のショップに出かけた。
私が頼んでおいた部品が届いていたからだ。意外と時間がかかり、
彼は時間潰しに、何とかいう無料の会員に登録をしていた。
様子を見ていると、登録直後に届くはずのメールが届かないとかで
ちょっとしたトラブルになっていたようだった。ほどなく、原因は
彼がメールの受信制限をしていたからだと解った。
でもおかしい。
彼が拒否するのは妻のメールだけのはず。
それに私からのメールはちゃんと届いていたではないか。
でもその時は、何とも思わなかった。
ところが帰宅して、PCから仕事の件について彼にメールを
送信したときもなぜかエラーで返ってきた。私は不審に思った。
彼に聞くと、妻からのメールを拒否設定するのが面倒だから
私のメールだけをOKという設定にしたという。
やはりおかしい…。
私はすぐに思いついて彼に言った。
「やましいメールが届くんじゃないの?(笑)
私と居るときに届くとまずいから拒否していたんでしょ?」
彼は笑い飛ばした。「あはは、レイコ、もっと妬いてくれよ。」と言って
否定した。そして「妻だけを拒否するように設定するよ」と言って解除し、
PCからのメールは無事彼に送ることが出来た。
これで済んだなら、私も見過ごしたかもしれない。
でも今日、会社から彼の携帯にメールを入れたとき、またしても
エラーとなった。私は確信したのだ。昨日の夜、いったん解除したと
いうのに、またメールが届かなくなっているなんて、ありえない。
間違いなく彼は、誰かからのメールを避けているのだ。
届いては困るメール。でも、拒否設定できないのだ。
なぜなら登録するにはアドレス自体を記載しなくてはならない。
それは危険すぎる。私に見られることもあり得るからだ。
フフフ(笑)
夜になって、いつものように仕事を終えた彼と電話で話している時、
私は優しい声で彼に言った。「何かやましいことがあるんでしょ?」。
不意打ちに弱い彼は、言葉を詰まらせた。私は、理由を言わずに
彼に切り込んだ。「隠していることがあることはわかっているの。
言いたくないなら言わなくていいのよ。でも、必ずあなたも同じ目に
合うのよ。わかっているでしょう?」
黙ってしまった彼は、もう半分白状したも同然だった。
でも私はそこまでにしておいた。彼を逆上させても仕方ない。
第一、私は彼が何を隠しているのかわからないのだ。
彼の出方を見ることに決めた。(つづく)
となって胸に残る。パズルのピースは、既にいくつか集めてあった。
月曜日の彼の一言もそのうちの一つ。何かが起こりそうな予感。
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この前の日曜、私は彼と、携帯電話のショップに出かけた。
私が頼んでおいた部品が届いていたからだ。意外と時間がかかり、
彼は時間潰しに、何とかいう無料の会員に登録をしていた。
様子を見ていると、登録直後に届くはずのメールが届かないとかで
ちょっとしたトラブルになっていたようだった。ほどなく、原因は
彼がメールの受信制限をしていたからだと解った。
でもおかしい。
彼が拒否するのは妻のメールだけのはず。
それに私からのメールはちゃんと届いていたではないか。
でもその時は、何とも思わなかった。
ところが帰宅して、PCから仕事の件について彼にメールを
送信したときもなぜかエラーで返ってきた。私は不審に思った。
彼に聞くと、妻からのメールを拒否設定するのが面倒だから
私のメールだけをOKという設定にしたという。
やはりおかしい…。
私はすぐに思いついて彼に言った。
「やましいメールが届くんじゃないの?(笑)
私と居るときに届くとまずいから拒否していたんでしょ?」
彼は笑い飛ばした。「あはは、レイコ、もっと妬いてくれよ。」と言って
否定した。そして「妻だけを拒否するように設定するよ」と言って解除し、
PCからのメールは無事彼に送ることが出来た。
これで済んだなら、私も見過ごしたかもしれない。
でも今日、会社から彼の携帯にメールを入れたとき、またしても
エラーとなった。私は確信したのだ。昨日の夜、いったん解除したと
いうのに、またメールが届かなくなっているなんて、ありえない。
間違いなく彼は、誰かからのメールを避けているのだ。
届いては困るメール。でも、拒否設定できないのだ。
なぜなら登録するにはアドレス自体を記載しなくてはならない。
それは危険すぎる。私に見られることもあり得るからだ。
フフフ(笑)
夜になって、いつものように仕事を終えた彼と電話で話している時、
私は優しい声で彼に言った。「何かやましいことがあるんでしょ?」。
不意打ちに弱い彼は、言葉を詰まらせた。私は、理由を言わずに
彼に切り込んだ。「隠していることがあることはわかっているの。
言いたくないなら言わなくていいのよ。でも、必ずあなたも同じ目に
合うのよ。わかっているでしょう?」
黙ってしまった彼は、もう半分白状したも同然だった。
でも私はそこまでにしておいた。彼を逆上させても仕方ない。
第一、私は彼が何を隠しているのかわからないのだ。
彼の出方を見ることに決めた。(つづく)
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