友人の不倫

2003年5月11日
※秘密追加しました

海外で英語を学んでいた友人が、数年ぶりに帰国したと
連絡をくれたので、会ってきた。

その昔、彼女と私は恋愛に関する楽しいことや悩み事などを
しょっちゅう語り合ったものだった。彼女の転職で一時疎遠に
なっていたことがあるのだが、お酒に酔ったせいか、彼女は
当時の話を、ポツリ、ポツリと語り始めた。

「あの頃私は、奥さんの居る人と付き合っていたの・・・・。」
あら驚いた。彼女は目の前に居る私が、まさか不倫中だとは
つゆ知らず、昔の不倫について語り始めた。

妻の居る男と付き合い始めたとき、彼女が心に誓ったことは、
決して彼ら夫婦の仲を壊さない、ということだったという。
相手の妻とも顔見知りだったので、男と過ごす時が楽しければ
楽しいほど、辛くなっていったそうだ。

なんたることだ。こんなに身近に、「不倫チャンの見本」みたいな
経験者が居たなんて。彼女の話は、不倫チャンが経験する
フルコース物語のようだった。いかに不倫人口が多いのかを
思い知らされる。

やがてある日、相手の男は彼女に告げたという。
「友達の関係に戻ろう。」

もちろん彼女は男に離婚を迫ったわけでもなければ、嫉妬に
かられて男をなじったわけでもなかった。彼女曰く、恐らく男は
どんどん深くなる彼女との関係に怖気づいたというのだ。
要するに男は彼女よりも家庭を選んだということになる。

もとはといえば、男が彼女を誘ったのだ。これもよくある話で、
そのうち彼女の方が男に強く惹かれるようになっていった。
事実上の関係解消ともいえるその言葉に、彼女は強く打ち
のめされたが、相手の意向を受け入れるしかなかった。

彼を忘れようと辛い日々を送っていたそんなある日、彼女に
当の男から電話があったという。
「久し振りに会えないかな?」そんな男の言葉に、もちろん
彼女の心は揺れた。だが、彼女とは本気の関係にはならないと
通告した上で、ほとぼりの冷めた頃を見計らって連絡を寄越した
男のやり方を見て、「友達」というのはそういう意味だったのかと
彼女は情けない思いで悟ったという。

「気持ちが無いのに、体だけの関係を続けようと言われたのよ。」
今はこうして自嘲的に笑っている彼女だか、当時、どれほど辛い
思いをしたかを想像すると、胸が痛む。彼女はそれ以後、電話が
あろうが手紙が来ようが無視を貫いたそうだ。

なんと素晴らしい意志の強さだ。

私は素直に感心した。
「普通はそこでズルズルといってしまうものなのに…。
よく頑張ったわね。」思わず賞賛の言葉が口をついて出る。

彼女は吐き捨てるように言った。
「私には、不倫は無理だとわかったの。
割り切って続けられる人は、続けたらいい。
あの関係が辛くないと感じるなら、それはそれ。
ただ、もう私は二度とごめん。後ろめたい思いで、いつも
奥さんに気兼ねして・・・。心が休まることなんてなかった。」

ふう・・・。そうね。あなたは人が好すぎて不倫には向かないわ。
辛かったのならやめて正解よ。奥さんに気兼ねするなんて
奇麗事を吐くぐらいなら最初からやめておけばよかったのよ。
「申し訳ない」なんて、罪悪感逃れの呪文のようなものなんだし。

私は後ろめたいどころか、毎日幸せよ。
彼の妻の動向を見守る(?)のも面白いし。
ダーリンは心の安らぎ、私の存在はダーリンの安らぎ。
うっとり…ウフフ。

内心、色々と考えていたが、私は神妙な顔つきで話を
聞くしかなかった。もう不倫はしない、と誓っている友人に
不倫を語るなんて無意味なのだから。

彼女の言葉を借りると、私は「平気で不倫を続けられる人種」
なのだろう。まさに不倫向きの性格といったところか。

「相手の家庭を壊さない誓い」も何も、彼女の不倫相手はもともと
そんな気持ちなんて無かったのだ。私たちの場合、ダーリンは
「家庭を壊してでもレイコと一緒に居たい」と思っているから
現在に至っているのである。不倫にも色々種類があるのよ。

それにしても・・・
無邪気だった少女が、揃いも揃って不倫、とはね。
おまけに一人はどっぷりと漬かり切っている。そう、この私よ♪
人生、色々ねー(笑)

願わくば私の大切な友人には、素晴らしい恋愛をして
幸せになってもらいたい。二度と不倫なんかしちゃダメよ。

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