奥様のダイエット？

彼は妻に「殺してやりたい」とメールしていた。
私は彼になりすまし、追い討ちをかけるように「死ね」とメールした。

彼の妻から返事がきていた。

「あなたに死ねと言われて不思議と気持ちが落ち着きました。
でも何も食べられない。また痩せるかな・・・。」

ふん、あなたが太ろうが痩せようがどうでもいいのよ。
あなたのことなんて彼は見ていないんですもの。

その証拠に、「死ね」とメールしたことを彼に話しても、
彼は笑っていた。

「俺は殺したいとは言ったけど、死ねなんて言ってないのに
おかしいと思ってたんだ。そこまでするなんて、レイコは俺の
ことが本当に好きなんだね。気にすることはないよ。
あいつのことなんか、どうでもいい。」

奥様…なんだか可哀想ねー。

思わず彼に聞いた。
「私に気を使わなくていいのよ。ずっと奥様と接していると、
可哀想になることだってあるでしょう？」

ところが彼は淡々とした口調でこう言った。

全く無いね。確かに昔はそういうこともあったけど、
今はあいつの言動全てを嘘臭いと思う。殊勝なことを言ってても
何か気に入らなければ態度を豹変させる。そのあとはまた
言い訳のオンパレードだ。もう、うんざりなんだよ。

今となっては、私たちの関係におけるスパイス程度の
役割も無いってわけね。
奥様、お気の毒ね。でも仕方ないわね。

早くお気付きになってね。
もう彼の気持ちが戻ることなんて、ありえないわよ。