彼の部屋の荷物は、ほぼ片付いた。
部屋の引き渡しまであとわずかだというので
二人で綺麗に掃除した。

がらんとした広い部屋に居ると、忘れていた
色んな出来事が蘇ってくる。

ここを借りた頃のことだ。
アイロンが必要になり、購入することにしたのだが、
ちょうど彼の家のアイロンも壊れていたので、2台
まとめて私たちが買いに行った。

彼の妻が指定したアイロンは、いつものことながら
高性能なもので、値段も張った。彼ときたら私に気を遣って
別宅用のアイロンは、それよりもさらに高価なものを
買い求めたものだった。めったに使わないのにね(笑)

色んな物を知人に引き取ってもらったのに、なぜか彼は
そのアイロンだけは「レイコに使って欲しい」と言い、今は
私の家に置いてある。

そうね、ダーリン。大切に取っておくわ。いつかまた
あなたのためにアイロンを使う日がきっと来るはず・・・

うっとり・・・

なーんて、しみじみとした気分に浸っていたら、
また妻からうるさく何度も電話が入ってきた。
延々と話が続きそうだったので、私は携帯を切る
ジェスチャーで彼を促し、電話を切ってもらった。

奥様はいいわねー、暇そうで。

何を張り切っちゃってるのかしらね、まったく。
助け合いたい?話し合いたい?
勘違いしないでね、奥様。
彼は自宅に帰るけど、今までと全く何も変わらないのよ。
あなたのために帰るんじゃないんだから。
彼に何かを期待するとつらいだけよ。

妻からの夥しい数のメールも見せてもらった。
言い分はまるで子供だ。
彼に対して「あなたの親も努力すべきでしょ」って何なの?
奥様の思惑通りにコトを進める為に、なんで彼の親が
奥様とうまくやっていけるように努力なんてしなくちゃいけないの?
一番努力が必要なのは、あ・な・た・、よ 奥様。

しばらくすると案の定、「家の鍵を締めます」と嫌がらせを言ってきた。
内鍵を締められると、彼は家に入れない。進歩が無いのね、奥様。
言い分が通らないと彼を締め出すなんて。
奥様の言うこと聞くなら家に入れてアゲル、ってこと?

フン、あなたが出ていけば?

当然ながら彼は早々に嫌気がさしているようだ。
もめることは承知の上だが、仕事に差しつかえてはたまらない。

彼には酷だけど暫く頑張ってもらって、妻の暴挙の事実を
握らなくては。離婚調停の時には、妻の不利になる材料が
多い方が話が早いのだから。


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