奥様の名案

彼が自宅に帰る日が近付いている。
彼は、夫婦間のいざこざに決着をつけるため、すなわち
離婚を成立させるために戻るのだと妻に明言している。

妻からは毎日アクションがある。
3月になり、彼が戻るまでに今後のことを話したいと、
ひっきりなしに電話やメールをしてくるが彼は無視を通している。

夫婦の再構築のためにでなければ、帰る必要ナシと
いわんばかりの妻のメールを見て、彼が言う。
「俺に、帰るなと言いたいのか。」

フフフ、あなたの家でしょ？堂々と帰ればいいのよ（笑）

彼の妻は、「いやがらせ」のような発想しかできない。
自分の欲求が通らないと、彼に何かを禁じたり
自分の義務を投げ出すことで、押し通そうとする。
彼らの夫婦関係は、妻からの一方的な交換条件の
押し付けと、脅しで成り立っていたようなものだ。

自己中なら自己中なりに、もっと頭を使えばいいのに。
ゴリ押しするしか能が無いから、馬鹿だと言われるのよ。

彼が家を売ると言ったときも妻は反対するばかりで
何一つ対策を練らなかった。それどころか「愛して」と
夢物語のような言葉を書き連ねるだけだった。

現実問題として、ローンを支払えない現状をどう乗り切るのかと
彼に詰め寄られて、妻は自分も考えると言い、その「案」とやらを
メールで送ってきたのだが、内容の陳腐さといったら・・・
馬鹿にする気力も起こらないほど、浅はかなものだった。

とりあえずー
わたしの親にー
ひゃくまんえん借りてー
今をしのいだらどうかしらー


呆…。


あの、オクサマ、一度死んでくれませんか？　
　　
　
　
（つづく）