ダーリン 苦悩からの脱却
2002年12月15日ここ暫く、彼とはお互いの気持ちを探り合うといった状態が
続いていたが、意外な事をきっかけに、事態は収束に向かった。
*****
例の「いい男」(Eとする)と彼は、今でも仕事上の良き
パートナーだ。電話では毎日話しているし、週に一度は一緒に
飲みに行くなど、深い関わりを持っている。彼は、私とEの
出来事が吹っ切れないままに、交流を続けているわけで、
実際キツいと感じることもあったようだ。
彼の苦悩は、Eも参加する忘年会への参加を私に禁じたことからも
充分に窺える。彼の、Eを慕う気持ちが強ければ強いほど、
不快な気持ちも増すのだろう。…わからなくはない。
私はといえば、これまた悶々とした日々が続いていた。
参加そのものを諦め切れないからではなく、そんな風に
私を束縛しようとする彼の気持ちを快くは思えなかったからだ。
もちろん自分が蒔いた種だということは、よく解っているのだが
違和感は拭えないままで、スッキリしなかった。
そんなこんなで、お互いに核心に触れる話題は避けたまま、
当り障り無く日々を過ごしていたのだが・・・。
ある日のこと。
取引先からの帰りに私を迎えに来てくれた彼の車に
私が乗り込むと、彼はため息をついてこう言ったのだ。
「俺、打ちのめされているんだ」。
彼はめったにそういう言葉を使わないので、私は驚いて
何があったのかを聞いた。彼の話というのはこうだ。
その日、彼が出向いたのは他でもない、Eの会社だった。
他愛もない会話から、忘年会の話題になったときにEは言ったそうだ。
「忘年会、○○さん(私の名字)が女性一人では参加されにくいかと
思いましたので、A社の女性にも参加してもらえるよう、声をかけて
おきました。年の頃は同じでちょうど良いかと思います」、と。
とても自然な笑顔で気遣いを見せるEを見て、彼は自分を恥じたという。
自分はつまらないことに拘って、私を参加させない心づもりで居たと
いうのに、Eは違った視点で気遣ってくれていた。そのことに衝撃を受け、
その瞬間に馬鹿らしくなって、あっという間に拘りが解けたんだという。
「情けないこと言ってたなー、俺」
「ここのところ、お前を束縛してしまう自分に嫌気がさして、
ずっとしんどかった。俺はきっと、きっかけが欲しかったんだ。
それにしても、自分の情け無さに気付かせてくれたのが
よりによってEの奴だとは・・・何とも皮肉な話だな」と彼は笑った。
「もう大丈夫」と言い、「ごめんな、レイコ。一緒に行こうな」と
言った彼の豊かな笑顔は、私をとても安心させた。
結果として、この忘年会は諸事情により、中止となったが(笑)、
この件以降、彼はすっかり吹っ切れた様子で、前にも増して
包容力を感じさせてくれる。もちろん、フラッシュバックとやらが
これからも続くであろうが、ひとまず落ち着きを取り戻した私たちである。
不思議なもので、拘りが解けると、体裁なんてどうでも良くなるようだ。
私とダーリンは、クリスマスにどんなお料理を作ろうか・・・と自然に
話し合っていた。きっと彼の部屋で温もりに満ちたクリスマスを
過ごすことになるだろう。彼が今年は特に格の高いレストランや、
ホテルの一室に執着を見せたのは、そうすることにより、満たされない
何かを埋めようとする心理状態の現れだったのかもしれない。
今日私たちは、私から彼へのクリスマスプレゼントを買いに出かけた。
どこのショップに行っても「モデルのようですね」と誉めそやされる彼を
見ていると、飽きることがない。金銭的にいつも甘やかされている私だが、
ここぞとばかりにスーツをプレゼントすることにした(笑)
ダーリン、とっても素敵よ。よく似合っているわ。
あなたとお買い物に出掛けるのは大好き。
さすがに、こんなところで手を繋いだりは出来ないけれど
あなたと心が繋がっているのを感じるわ・・・
とっても幸せ。
愛しているわ、ダーリン。
続いていたが、意外な事をきっかけに、事態は収束に向かった。
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例の「いい男」(Eとする)と彼は、今でも仕事上の良き
パートナーだ。電話では毎日話しているし、週に一度は一緒に
飲みに行くなど、深い関わりを持っている。彼は、私とEの
出来事が吹っ切れないままに、交流を続けているわけで、
実際キツいと感じることもあったようだ。
彼の苦悩は、Eも参加する忘年会への参加を私に禁じたことからも
充分に窺える。彼の、Eを慕う気持ちが強ければ強いほど、
不快な気持ちも増すのだろう。…わからなくはない。
私はといえば、これまた悶々とした日々が続いていた。
参加そのものを諦め切れないからではなく、そんな風に
私を束縛しようとする彼の気持ちを快くは思えなかったからだ。
もちろん自分が蒔いた種だということは、よく解っているのだが
違和感は拭えないままで、スッキリしなかった。
そんなこんなで、お互いに核心に触れる話題は避けたまま、
当り障り無く日々を過ごしていたのだが・・・。
ある日のこと。
取引先からの帰りに私を迎えに来てくれた彼の車に
私が乗り込むと、彼はため息をついてこう言ったのだ。
「俺、打ちのめされているんだ」。
彼はめったにそういう言葉を使わないので、私は驚いて
何があったのかを聞いた。彼の話というのはこうだ。
その日、彼が出向いたのは他でもない、Eの会社だった。
他愛もない会話から、忘年会の話題になったときにEは言ったそうだ。
「忘年会、○○さん(私の名字)が女性一人では参加されにくいかと
思いましたので、A社の女性にも参加してもらえるよう、声をかけて
おきました。年の頃は同じでちょうど良いかと思います」、と。
とても自然な笑顔で気遣いを見せるEを見て、彼は自分を恥じたという。
自分はつまらないことに拘って、私を参加させない心づもりで居たと
いうのに、Eは違った視点で気遣ってくれていた。そのことに衝撃を受け、
その瞬間に馬鹿らしくなって、あっという間に拘りが解けたんだという。
「情けないこと言ってたなー、俺」
「ここのところ、お前を束縛してしまう自分に嫌気がさして、
ずっとしんどかった。俺はきっと、きっかけが欲しかったんだ。
それにしても、自分の情け無さに気付かせてくれたのが
よりによってEの奴だとは・・・何とも皮肉な話だな」と彼は笑った。
「もう大丈夫」と言い、「ごめんな、レイコ。一緒に行こうな」と
言った彼の豊かな笑顔は、私をとても安心させた。
結果として、この忘年会は諸事情により、中止となったが(笑)、
この件以降、彼はすっかり吹っ切れた様子で、前にも増して
包容力を感じさせてくれる。もちろん、フラッシュバックとやらが
これからも続くであろうが、ひとまず落ち着きを取り戻した私たちである。
不思議なもので、拘りが解けると、体裁なんてどうでも良くなるようだ。
私とダーリンは、クリスマスにどんなお料理を作ろうか・・・と自然に
話し合っていた。きっと彼の部屋で温もりに満ちたクリスマスを
過ごすことになるだろう。彼が今年は特に格の高いレストランや、
ホテルの一室に執着を見せたのは、そうすることにより、満たされない
何かを埋めようとする心理状態の現れだったのかもしれない。
今日私たちは、私から彼へのクリスマスプレゼントを買いに出かけた。
どこのショップに行っても「モデルのようですね」と誉めそやされる彼を
見ていると、飽きることがない。金銭的にいつも甘やかされている私だが、
ここぞとばかりにスーツをプレゼントすることにした(笑)
ダーリン、とっても素敵よ。よく似合っているわ。
あなたとお買い物に出掛けるのは大好き。
さすがに、こんなところで手を繋いだりは出来ないけれど
あなたと心が繋がっているのを感じるわ・・・
とっても幸せ。
愛しているわ、ダーリン。
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