匙加減

2002年12月10日
「怖い夢を見たの」

真夜中、ふとんから抜け出した私は、彼に電話をかけ、
細い声で訴える。不安でたまらないといった様子で。

それで全ては上手くいく。

闇の中で微笑みながら、私は彼の心配そうな声に
うっとりする。怖いのは夢じゃなくて、この私(笑)

*****

彼は、接待や付き合いで、明け方まで飲むことも珍しくはない。
大抵の場合、私はその相手や店を把握しているし、
彼が頻繁に連絡を寄越すせいもあって、心配はしない。

だが、時には私も探りを入れるのだ。
彼からの連絡がないときや、好ましくない相手と同席している時、
またはそういった具体的な理由が見付からないときにも、ふいに。

例えば・・・そう、私はどんな時でも彼と繋がっている、ということを
実感したい欲望に駆られることがある。いつも、という訳ではない。
一方的に、一時的に、自分本位に、だ。

そんなとき私は迷わず彼に連絡する。
そう、怖い夢のせいにして、ね(笑)

「こんな時間まで連絡もしないで、どこにいるの!」と
不機嫌な声で電話してくる彼の妻に教えてあげたい。
だから嫌われちゃったのよ、と。

もちろん彼も、私の電話の意図を、ある程度は感じていることだろう。
彼だって馬鹿ではないのだから(笑)それでも彼は満足なのだ。

「怖い夢」のせいにして連絡してくる女・・・を彼は嫌いではない。
男というのは、嫉妬や束縛をする女は嫌いだが、自分が気に入る
方法でなら、その片鱗を見せられることに悪い気はしないものなのだ。

何事も匙加減が重要なのよ、奥様(笑)

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