オクサマへ

夏真っ盛りですね。

彼の奥様も、熱く燃えてらっしゃいます。
はー、暑い、暑い。

ちゃんと妻と離婚しようと決意した彼は、時間をかけて
考えた末、ついに妻に正式に別れ話を切り出した。

妻がキレたら彼もキレる…という修羅場にはもう、うんざり。
というわけで、今回、彼は終始冷静に話しをしているようだ。

妻の言い分は、何も変わっていない。

子供を置き去りにすると脅す。
彼が妻を愛さないのなら死ぬという。
子供のために私を愛してと彼に訴える。

―――置き去りにするヒトが子供のためにと言っても
　　　　説得力ないんですのよ、オクサマ（笑）

妻のメールに頻繁に出てくる言葉がある。

「私を愛してあげようと思うべきです」
「私が喜ぶことをしてあげようと思って下さい」　

うー、この表現…。頭痛いですね。

仮にも「別れたい」と言ってる相手に向かって、
「あなたが私を喜ばせてくれたら、私はあなたのために色々と
考えてあげられると思う。騙されたと思って、愛してみて」

なーんて的外れなことを言う相手と、今後、まともな
話し合いが出来るとは到底思えない。

「やるだけ無駄ね、骨折り損よ」と彼に言ったが、
彼の決意は固いようで、根気よく妻と話しているようだ。
　
　

オクサマへ

あのね、オクサマ。
人の気持ちを指図するなんてことは不可能なんですのよ。

「愛する」というのは自然な気持ちであって、
人に言われてその気持ちを作り上げるなんて、出来るわけ、
無いでしょ？

ほら、オクサマ、大嫌いな男を思い浮かべてごらんなさい。
その男を、あなた、愛せますか？無理でしょ？
愛さなければ子供を殺すと脅されたら、愛せます〜？
出来ないわよね？「愛するフリ」をするのがせいぜいでしょ？

だからね。オクサマが彼に望んでいることって
そういうことなんですのよ？

「愛しているフリ」、それで　ご満足？（笑）

ダメよね？
オクサマは、いつもおっしゃるじゃない。
「心から愛してやってくれないと意味がない」って。

だから、無理なの。
彼に「愛しているフリ」をさせようとしているだけよ。
彼はそんなのまっぴらごめんだって言ってるの。

おわかりになられまして？

嫌いな相手を「心から愛せよ」だなんて、そんな無理難題を
ふっかけても絶対に通りませんことよ、おほほ。

ではごきげんよう

レイコ