知ーらないっと。
2002年6月14日妻は彼の仕事を全く理解していない。
彼が現状を説明しても「意見」と称し、的外れな提案をしては
とことん彼を疲れさせることしかできない。
昨日も彼と妻は言い争っていた。
彼が事情を話しても、妻は高飛車に自分の我を通そうと
するだけだ。やがて彼は妻を怒鳴りつけ、携帯電話の
電源を切ってしまった。
しばらくすると妻からメールが届いていた。
妻は電話を切ってから、ようやく事の重大さに思い至ったのだろう。
メールは彼に媚びるような言葉で埋め尽くされていた。
お互いに支え合おうだとか
(寄生させて、の間違いじゃ?)
夫婦としてのあり方を考えるべきだとか
(彼を従わせることが、お望みの「あり方」でしょ?)
あなたのことを責めてごめんなさいだとか。
(時、既に遅し 笑)
長ったらしいだけで掴み所のないそのメールが届いた頃、
彼はすでに酔っていた。酔って私を抱こうとしていた。
私が見つけたメールに、心底気分を害した彼はこう言った。
「フン、何をいまさら媚び売ってるんだ。
俺が愛してるのはレイコだけだ、そう返信してくれ!」と。
いいの?と何度聞いても彼は「送れ!」と言い放つ。
あらあら…(笑)
飲みすぎちゃったのかしら、ダーリン…。
妻にとって私は、この上なく忌まわしい存在だ。
これから先も、レイコという名は妻にとって
「禁句」であり続けることは間違いない。
何より、私と彼のことは「遠い過去の出来事」でなくてはならないのだ。
彼は発覚以来、レイコという名前が妻の目に触れぬよう、
耳に届かぬよう、慎重に振舞っていたに違いない。
そしてレイコとのことは過去の出来事だと
繰り返し妻に話してきたのだ。
そう、過去、過去、過去(笑)
妻の受けた傷は、生々しく残っているにせよ
(ただし妻いわく、ですが)
妻にとって私という存在は過去の遺物でしかない。
そうでなくてはならないのだ。
それなのに…。彼ときたら・・・(笑)
酔いのせいなのか、よほど妻の言動が腹に据えかねたのか
とにかく彼は妻を徹底的に叩きのめそうとしているのだ。
「レイコを今でも愛している」、その言葉はかなり効果的に
妻に襲い掛かることだろう。
妻への返信メールに、自分の名前を打ちながら私は
彼に微笑みかける。挑戦的になり過ぎないように、
それでいて優しすぎないように
「本当に送るわよ、いいのね?」と、囁く…。
本当に送ってやったらどうなるかしら?と考えてみる。
ふん、いい気味だこと。
彼のことをそうやって踏みつけてばかりいるから痛い目に合うのよ。
そう、あなたがどうなろうと私には関係のないことなのよ、オクサマ。
けれど・・・。
彼は?
そうね・・・。
きっと困ったことになるに違いないわね・・・。
自分で自分の首を絞めているのと同じことだ。
不倫した「過去」のせいで、何年間も妻から責められ続け、
今度はこんなにひどい言葉で妻を傷つけた、という理由で
きっと彼はまた責められるのだ。
物思いに耽りながら、それでいて何の躊躇いもなく
私は軽やかに送信ボタンを押していた。
彼が現状を説明しても「意見」と称し、的外れな提案をしては
とことん彼を疲れさせることしかできない。
昨日も彼と妻は言い争っていた。
彼が事情を話しても、妻は高飛車に自分の我を通そうと
するだけだ。やがて彼は妻を怒鳴りつけ、携帯電話の
電源を切ってしまった。
しばらくすると妻からメールが届いていた。
妻は電話を切ってから、ようやく事の重大さに思い至ったのだろう。
メールは彼に媚びるような言葉で埋め尽くされていた。
お互いに支え合おうだとか
(寄生させて、の間違いじゃ?)
夫婦としてのあり方を考えるべきだとか
(彼を従わせることが、お望みの「あり方」でしょ?)
あなたのことを責めてごめんなさいだとか。
(時、既に遅し 笑)
長ったらしいだけで掴み所のないそのメールが届いた頃、
彼はすでに酔っていた。酔って私を抱こうとしていた。
私が見つけたメールに、心底気分を害した彼はこう言った。
「フン、何をいまさら媚び売ってるんだ。
俺が愛してるのはレイコだけだ、そう返信してくれ!」と。
いいの?と何度聞いても彼は「送れ!」と言い放つ。
あらあら…(笑)
飲みすぎちゃったのかしら、ダーリン…。
妻にとって私は、この上なく忌まわしい存在だ。
これから先も、レイコという名は妻にとって
「禁句」であり続けることは間違いない。
何より、私と彼のことは「遠い過去の出来事」でなくてはならないのだ。
彼は発覚以来、レイコという名前が妻の目に触れぬよう、
耳に届かぬよう、慎重に振舞っていたに違いない。
そしてレイコとのことは過去の出来事だと
繰り返し妻に話してきたのだ。
そう、過去、過去、過去(笑)
妻の受けた傷は、生々しく残っているにせよ
(ただし妻いわく、ですが)
妻にとって私という存在は過去の遺物でしかない。
そうでなくてはならないのだ。
それなのに…。彼ときたら・・・(笑)
酔いのせいなのか、よほど妻の言動が腹に据えかねたのか
とにかく彼は妻を徹底的に叩きのめそうとしているのだ。
「レイコを今でも愛している」、その言葉はかなり効果的に
妻に襲い掛かることだろう。
妻への返信メールに、自分の名前を打ちながら私は
彼に微笑みかける。挑戦的になり過ぎないように、
それでいて優しすぎないように
「本当に送るわよ、いいのね?」と、囁く…。
本当に送ってやったらどうなるかしら?と考えてみる。
ふん、いい気味だこと。
彼のことをそうやって踏みつけてばかりいるから痛い目に合うのよ。
そう、あなたがどうなろうと私には関係のないことなのよ、オクサマ。
けれど・・・。
彼は?
そうね・・・。
きっと困ったことになるに違いないわね・・・。
自分で自分の首を絞めているのと同じことだ。
不倫した「過去」のせいで、何年間も妻から責められ続け、
今度はこんなにひどい言葉で妻を傷つけた、という理由で
きっと彼はまた責められるのだ。
物思いに耽りながら、それでいて何の躊躇いもなく
私は軽やかに送信ボタンを押していた。
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